平成26年度 問32 化学プロセス

水溶液を濃縮するための三重効用蒸発缶がある。蒸発缶の伝熱面積は 3 缶ともに \(10\ \mathrm{m^{2}}\)、第 1 缶、第 2 缶、第 3 缶の操作圧力はそれぞれ \(P_1 > P_2 > P_3\)、蒸発蒸気温度は \(T_1 > T_2 > T_3\) である。第 1 缶は 132 ℃ のスチームで加熱しており、蒸発蒸気温度 \(T_1\) は 94 ℃ である。第 2 缶の加熱に用いられた凝縮水量を計測したところ、1 時間当たり 456 kg であった。各缶での沸点上昇は第 1 缶で 0 ℃、第 2 缶で 2 ℃、第 3 缶で 4 ℃ である。各缶の総括伝熱係数(熱貫流係数)は操作圧力、温度に関係なく一定とした場合、第 3 缶の蒸発蒸気温度 \(T_3\) として、最も適切な値はどれか。なお、水の蒸発熱及び凝縮熱ともに \(500\ \mathrm{kcal/kg}\) で一定とする。

12℃
14℃
16℃
18℃
20℃
正答
① 12℃

三重効用蒸発缶は多重効用蒸発装置の一種です。前缶の蒸発物が次缶の加熱媒体として使用されます。次の缶に進むごとに缶内を減圧することで沸点を下げて温度差を得ます。

三重効用蒸発缶のイメージ

伝熱の式 \(Q = U A\,\Delta T\) を用います。総括伝熱係数および伝熱面積は各缶で同じため、各缶の伝熱量は等しく \(Q\) で表せます。

第 1 缶:\(Q = U A\,(132 - 94) \Rightarrow Q/(UA) = 38\)。
第 2 缶:\(Q/(UA) = 38 = 94 - T_2 \Rightarrow T_2 = 56\ ^\circ\mathrm{C}\)(液温)。沸点上昇 2 ℃ より蒸発蒸気温度は \(56 - 2 = 54\ ^\circ\mathrm{C}\)。
第 3 缶:\(Q/(UA) = 38 = 54 - T_3 \Rightarrow T_3 = 16\ ^\circ\mathrm{C}\)(液温)。沸点上昇 4 ℃ より蒸発蒸気温度は \(16 - 4 = 12\ ^\circ\mathrm{C}\) となります。

技術士(化学部門)一次試験の要点まとめ

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