令和3年度 問31 化学プロセス
メタノール(\(\mathrm{CH_3OH}\))を完全燃焼させるのに必要な理論空気量 \([\mathrm{m^{3}/kg}]\) に最も近い値はどれか。燃焼は 0 ℃、101.3 kPa の条件下で実施され、反応は次式による。
$$\mathrm{CH_3OH} + \tfrac{3}{2}\,\mathrm{O_2} \longrightarrow \mathrm{CO_2} + 2\mathrm{H_2O}$$ただし、空気中の酸素濃度、窒素濃度はそれぞれ 21.0 vol%、79.0 vol% とし、各元素の原子量は、H = 1、C = 12、O = 16 とする。
空気比とは、燃料を完全に燃焼させるために理論的に必要な空気量(理論空気量)と実際に燃焼用として送り込まれた空気量との比です。燃焼において酸素が足りない状態だと不完全燃焼となり CO が発生してしまうため若干空気比を 1 より高めに設定します。
メタノールの分子量は 32 です。1 kg では \(1{,}000/32 = 31.3\) mol です。メタノール 1 kg(31.3 mol)に対して必要な酸素の量は \(31.3\times(3/2) = 47.0\) mol です。標準状態(0 ℃、1 気圧)のとき気体は 22.4 L/mol であるため、必要な酸素の量は \(47.0\ \mathrm{mol}\times 22.4\ \mathrm{L/mol} = 1053\ \mathrm{L}\)(\(1.05\ \mathrm{m^{3}}\))です。
空気中の酸素濃度、窒素濃度はそれぞれ 21.0 vol%、79.0 vol% であることから、\(1.05\ \mathrm{m^{3}}\times 100/21 = 5\ \mathrm{m^{3}}\) の空気が必要だと分かります。なお、実際には不完全燃焼を防ぐため \(5\times 1.1 = 5.5\ \mathrm{m^{3}}\) 程度の空気量を流すことになります。