令和6年度 問30 化学プロセス
ラウールの法則によれば、希薄溶液の蒸気圧 \(P\) は、純溶媒の蒸気圧 \(P_0\) と溶媒のモル分率 \(X_{\text{溶媒}}\) との積で求められる。1気圧、室温における 15 wt% の食塩水の蒸気圧は、同じ温度の純水の蒸気圧の何倍になるか。最も近い値を答えよ。ただし、食塩は水溶液中で 100% 解離するものとし、イオン化された \(\mathrm{Na^{+}}\) 及び \(\mathrm{Cl^{-}}\) は非揮発性とする。水の分子量は 18、ナトリウムと塩素の原子量はそれぞれ 23 と 35.5 である。$$\mathrm{NaCl} \rightarrow \mathrm{Na^{+}} + \mathrm{Cl^{-}}$$
①
0.15
②
0.85
③
0.90
④
0.95
⑤
0.98
正答
③ 0.90
問題文に記載のラウールの式を記述すると $$P = P_0\,X_{\text{溶媒}}$$で表されます。両辺を \(P_0\) で割ると \(P/P_0 = X_{\text{溶媒}}\) と変形できます。食塩水の蒸気圧と水の蒸気圧の比率を求められていることから、\(X_{\text{溶媒}}\) がそのまま答えになります。
ラウールの式の注意点として、イオン化された分子はイオンを基準に計算します。つまり NaCl の場合、\(\mathrm{Na^{+}}\) と \(\mathrm{Cl^{-}}\) に分かれていることから、NaCl の 2 倍の物質量となります。
食塩水が 100 g あるとして、15 wt% の食塩水における食塩と水の物質量を求めます。塩化ナトリウムの分子量は \(23 + 35.5 = 58.5\) です。
NaCl: \(15\,[\mathrm{g}] / 58.5\,[\mathrm{g/mol}] \times 2 = 0.512\) mol
\(\mathrm{H_2O}\): \(85\,[\mathrm{g}] / 18\,[\mathrm{g/mol}] = 4.72\) mol
よって \(X_{\text{溶媒}} = 4.72 / (0.512 + 4.72) = 0.90\) です。