平成28年度 問11 有機化学及び燃料
石油製品の灯油に関する次のA~Eの記述のうち、適切なものの組合せはどれか。
(A) 灯油は、炭素数5~11を中心とする炭化水素成分で構成される。
(B) 灯火、厨房用などの家庭用灯油が主として生産されている。
(C) 石油ストーブのように灯芯を使う燃焼器具では、煙や葉が出ないで燃焼することが求められる。そのためには、芳香族炭化水素が多い方が良い。
(D) 燃料電池用に供する場合の硫黄分は、0.10質量分率%以下に規定されている。
(E) 引火点が40℃以上である。このため引火の危険性が少なく、取り扱いが容易である。
①
A、B
②
B、D
③
B、E
④
C、D
⑤
C、E
正答
③ B、E
正答は3番です。
灯油の燃焼性は煙点(えんてん)で評価されます。煙点は煤(すす)が出ない灯芯の長さを示し、煙点の値は大きいことが望ましいです。煙点はパラフィン系炭化水素が多いほど大きく、芳香族炭化水素が多いほど、また重質留分が多いほど小さくなります(C)。
灯油は、炭素数9~15程度の炭化水素からなり、安全性の面から引火点が40℃以上に規格されています(A)。
Dの燃料電池用に供する灯油の硫黄分はJIS K 2203にて0.0010質量分率%以下に規定されています。燃料電池は、水素(燃料)と空気中の酸素から電気エネルギーを取り出す電池です。灯油から水素を得る際に、改質やCO変性の工程で用いる触媒が硫黄の影響で劣化(被毒)するのを抑えるために低硫黄分の灯油が求められます。