平成30年度 問1 有機化学及び燃料
有機溶媒に関する次のA~Eの記述の正誤の組合せとして、最も適切なものはどれか。
(A) 20%の水を含むトルエンを常圧で単蒸留すると、まず水が留出し、ついで沸点110.6℃のトルエンが留出する。
(B) ベンゼンはトルエンより分子量は小さいが、トルエンの融点が~95℃であるのに対して、ペンゼンの融点は5.5℃と高い。
(C) クロロホルム10 mLと水10 mLとをよく振り混ぜた後に静置すると、クロロホルムは下層として分離する。
(D) ジェチルエーテル10 mlと水10 mLをよく振り混ぜた後に静置すると、ジェチルエーテルは上層として分離する。
(E) アセトン10 mLと水10 mLとをよく振り混ぜた後に静置すると、アセトンは下層として分離する。
正答は4番です。
1番のトルエンと水は、水が19.91wt%の組成で共沸混合物を形成します。よって誤です。この時の共沸点は約85℃でトルエンの沸点110.6℃よりも低くなっています。
2番の融点はトルエン(-93℃)よりもベンゼン(5.5℃)の方が高くなります。よって正です。沸点は分子量の関係からベンゼン(80℃)よりトルエン(110.6℃)の方が高いのに対し、融点は逆転しています。これはベンゼンは高い対称性を持つ平面構造で、分子が規則正しく配列しやすく、安定な結晶構造を形成するためです。
3番のクロロホルムの密度は約1.48 g/cm3で水の密度1.00 g/cm3より大きいため、下層に分離します。よって正です。
4番のジエチルエーテルの密度は約0.71 g/cm3で水の密度1.00 g/cm3より大きいため、上層に分離します。よって正です。
5番のアセトンは極性溶媒で水との親和性が高いため均一な溶液を形成します。つまり層分離しません。よって誤です。