平成25年度 問27 化学プロセス
実在気体に関する次の記述の下線部のうち、最も不適切なものはどれか。
実在気体の PV 線図(横軸:体積 \(V\)、縦軸:圧力 \(P\))において、高温での等温線は理想気体における①ボイルの法則からほんの少しずれるに過ぎない。ある温度以下で温度一定のまま圧縮すると、ある圧力で気体は凝縮して液体を生じ始め、体積が減少していく。すべての気体が液体になるまで圧力は一定のままであり、このときの圧力はこの温度における②平衡蒸気圧である。つまり、液体を生じ始め、気体すべてが液体になるまでの領域は、気液 2 相が平衡を保っている領域であり、この間圧力が一定であることは、ギブスが導出した③相律から④自由度(可変度)0として説明できる。
気液 2 相領域の頂点と接する等温線の温度を臨界温度といい、液化させるためには温度を⑤臨界温度以下にする必要がある。
正答
4番
ギブスの相律は \(F = C - P + 2\) で表されます。\(F\):自由度、\(C\):成分数、\(P\):相数。気液平衡状態では \(C = 1\)(純物質)、\(P = 2\)(気相と液相)であるため、自由度は \(F = 1 - 2 + 2 = 1\) です。0 ではありません。
相律の例:
- 純粋な水(1 成分系)の場合:
- 水蒸気のみ(1 相):\(F = 1 - 1 + 2 = 2\) → 温度と圧力を自由に変えられる
- 水と水蒸気(2 相):\(F = 1 - 2 + 2 = 1\) → 温度か圧力のどちらか一方しか変えられない
- 氷、水、水蒸気(3 相、三重点):\(F = 1 - 3 + 2 = 0\) → 一点で固定
- 塩水(2 成分系)の場合:
- 液体の塩水のみ(1 相):\(F = 2 - 1 + 2 = 3\) → 温度、圧力、塩の濃度を自由に変えられる