平成25年度 問1 有機化学及び燃料
ラジカルに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
①
塩素ラジカルは、塩素(Cl2)に紫外線を照射すると塩素-塩素(Cl-Cl)結合が不均一結合開裂(ヘテロリシス)して生成する。
②
塩素ラジカルの近傍にメタンが存在すると、塩素ラジカルはメタンから水素原子を引き抜いて塩化水素とメチルアニオンが生成する。
③
ラジカル同士が衝突すると、お互いに反発しあう。
④
過酸化ベンゾイルを加熱(約80℃)すると、ベンゾイルオキシラジカルやフェニルラジカルが発生する。
⑤
アルキルラジカルは第一級ラジカルより第三級ラジカルの方が不安定である。
正答
④ 過酸化ベンゾイルを加熱(約80℃)すると、ベンゾイルオキシラジカルやフェニルラジカルが発生する。
正答は4番です。
過酸化ベンゾイルは一般的なラジカル開始剤として知られています。加熱により、過酸化ベンゾイルのO-O結合が均等に開裂(ホモリシス)し、2つのベンゾイルオキシラジカルが生成します。ベンゾイルオキシラジカルは不安定で、さらに分解してフェニルラジカルと二酸化炭素を生成することがあります。
塩素ラジカルも同様に、塩素の均等開裂(ホモリシス)により生成します(1番)。塩素ラジカルがメタンから水素を引き抜くと、塩化水素とメチルラジカルが生成します。メチルアニオンではありません(2番)。
ラジカル同士は通常反発せず、むしろ結合して安定な分子を形成します。これが重合の停止反応の1つです(3番)。
アルキルラジカルはカルボカチオンと同じように、共役によって安定化します。よって安定性は、第三級 > 第二級 > 第一級 > メチルの順です(5番)。