平成25年度 問12 有機化学及び燃料

潤滑油は、使用目的に合わせて基油に添加剤を調合して製造される。添加剤の1つである粘度指数向上剤に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

温度変化に伴う潤滑油の粘度変化を低減する目的で使用される。
低温では基油の粘度をあまり上げないが、高温では低下する基油粘度を高めに維持する作用をする。
油溶性の高分子物質(ポリマー)で、分子量は数千から数十万である。
熱分解などにより分子がちぎれて小さくなり、粘度指数向上性能が低下する。
一般に高分子量のものほど低分子量のものに比べてせん断安定性が優れている。
正答
⑤ 一般に高分子量のものほど低分子量のものに比べてせん断安定性が優れている。

正答は5番です。

せん断安定性は分子鎖切断による潤滑油の粘度低下の割合を表します。分子量が大きいほどせん断力はかかりやすいことから、低分子量の方がせん断安定性が優れています。

粘度指数は、粘度の温度依存性を表した指数です。値が大きいほど温度による粘度変化が小さいことを表します。潤滑油においては高温での潤滑性変化を抑えるため、粘度指数向上剤を添加する場合があります(1番)。つまり低温の粘度上昇および高温の粘度低下を抑えます(2番)。

粘度指数向上剤にはポリメタクリレート、オレフィンコポリマー、スチレンオレフィンコポリマー、ポリイソブチレンのような油溶性のポリマーが用いられます(3番)。

高温ではポリマーの溶解性が上がり、分子鎖が広がることで潤滑油の粘度が大幅に増加します。反対に低温では溶解性が下がり、分子鎖が丸まることで潤滑油の粘度はあまり増加しません。そのため熱分解などによりポリマー鎖がちぎれて小さくなると粘度指数向上性能が低下してしまいます(4番)。

技術士(化学部門)一次試験の要点まとめ

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