平成27年度 問30 化学プロセス
下図に示すような水の加熱器がある。この加熱器は伝熱面積 \(10\ \mathrm{m^{2}}\)、130 ℃ のスチームを用いて、30 ℃ の水 \(2.8\ \mathrm{kg/s}\) を 80 ℃ に加熱するためのものである。この加熱器を運転して出口水温が 80 ℃ と安定した状態になったときの加熱器のスチーム凝縮水量は \(0.28\ \mathrm{kg/s}\) であった。このときの加熱器の総括伝熱係数として、最も適切な値はどれか。なお、スチームの凝縮熱量は \(2.09\times 10^{6}\ \mathrm{J/kg}\)、水の比熱は \(4.18\times 10^{3}\ \mathrm{J/(kg\cdot K)}\) 一定とし、放熱等の熱ロスはないものとする。また、伝熱量の一般式は \(Q = U A\,\Delta t\) である。ここで、\(Q\) は伝熱量 [W]、\(U\) は総括伝熱係数 \([\mathrm{W/(m^{2}\cdot K)}]\)、\(A\) は伝熱面積 \([\mathrm{m^{2}}]\)、\(\Delta t\) は平均温度差 [K] である。なお、自然対数 \(\ln 2 = 0.69\) とする。

熱交換器内は入口から出口までにおいて温度差が変化します。そのため対数平均温度差 LMTD を計算します。
$$\mathrm{LMTD} = \frac{\Delta T_1 - \Delta T_2}{\ln(\Delta T_1/\Delta T_2)}$$\(\Delta T_1\):高温流体入口部における低温流体との温度差 [K]、\(\Delta T_2\):高温流体出口部における低温流体との温度差 [K]
高温側出口温度はスチームの凝縮熱が用いられていることから温度は変わらず 130 ℃ です。\(\Delta T_1 = 130 - 30 = 100\) K、\(\Delta T_2 = 130 - 80 = 50\) K。\(\mathrm{LMTD} = (100 - 50)/\ln(100/50) = 50/0.69 \approx 72.5\) K です。
伝熱量 \(Q = 2.09\times 10^{6}\times 0.28 = 5.85\times 10^{5}\) W。総括伝熱係数 \(U = 5.85\times 10^{5}/(10\times 72.5) \approx 807\ \mathrm{W/(m^{2}\cdot K)}\)。最も近い値は \(8.1\times 10^{2}\ \mathrm{W/(m^{2}\cdot K)}\) です。