平成28年度 問29 化学プロセス

流体の特性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

高濃度高分子水溶液では、剪断速度の増大とともに粘度が増大する擬塑性が発現する。
密度が一定であれば、非圧縮性流体であるが、非圧縮性流体であれば、必ずしも密度が一定であるとはいえない。
降伏応力を有する塑性流体の特性は、非沈降性のスラリーやペイントなどに見られる。
ニュートン、擬塑性、ダイラタンシーの3特性は、\( \eta=k \space \dot{\gamma}^{n-1}\)の式のパラメータnの値を変えることにより1つの式で表すことができる。
時間依存性流体の中には、剪断を与える時間とともに粘度が低下するチクソトロピーや、逆に粘度が増大するレオペクシーの発現するものがあり。前者はチクソトロピック流体、後者はレオペクチック流体と呼ばれる。
正答
① 高濃度高分子水溶液では、剪断速度の増大とともに粘度が増大する擬塑性が発現する。

正答は1番です。

擬塑性流体の特徴は、剪断速度の増大とともに粘度が減少することです。

この問題はレオロジー(流動学)についての内容です。レオロジーにおいて与える力によって粘度の変わらないものを「ニュートン流体」、与える力によって粘度が変わるものを「非ニュートン流体」と呼びます。

非ニュートン流体は、力を加えた時の粘度の変化に着目して大きく3種類に分類されます。

  • ビンガム流体:ある程度の力を加えるまで動かず、動き出すとニュートン流体としてふるまう
  • 擬塑性流体:力を加えることで粘度が下がる(1番)
  • ダイラタント流体:力を加えることで粘度が上がる

力を加えてからの時間経過に伴う粘度変化に着目して、更に2種類の分類がされます。

  • チキソトロピー流体:一定の力をかけ続けることで粘度が下がり、その後に一定時間放置すると元の粘度に戻る
  • レオペクシー流体:一定の力をかけ続けることで粘度が上がる

ゴムのような弾性の性質と、流動を兼ね備えた性質は粘弾性と呼びます。物体に一定の外力を与えることによってひずみ(変形)が進行する過程をクリープ、物体に一定のひずみを与えることによって生じた応力が低下する過程を応力緩和と言います。

粘弾性流体を棒でかき混ぜると流体が棒に絡みついて這い上がる現象はワイゼンベルグ現象と呼びます。

バラス効果(ダイスウェル)は粘弾性の物質が管から放出されるときに出口で管径よりも大きくなる現象です。 

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