平成30年度 問3 有機化学及び燃料

シクロアルケンの反応に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1, 2-ジメチルシクロヘキセンに白金触媒存在下で水素を付加させると、cis-1, 2-ジメチルシクロヘキサンが主生成物として得られた。
シクロヘキセンからm-クロロ過安息香酸との反応でエポキシドを合成し、これを酸性水溶液で処理してcis-1, 2-シクロヘキサンジオールに誘導した。
1, 2-ジメチルシクロペンテンを四酸化オスミウムと反応させたのち、亜硫酸水素ナトリウム水溶液で処理してtrans-1, 2-ジメチル-1, 2-シクロペンタンジオールが得られた。
シクロペンテンに臭素を反応させたところ、cis-1, 2-ジブロモシクロペンタンが主生成物として得られた。
1-メチルシクロヘキセンに臭化水素を付加させると、1-ブロモ-2-メチルシクロヘキサンが主生成物として得られた。
正答
① 1, 2-ジメチルシクロヘキセンに白金触媒存在下で水素を付加させると、 cis -1, 2-ジメチルシクロヘキサンが主生成物として得られた。

正答は1番です。

1番の白金触媒による水素化は、水素やアルケンが白金表面に結合することで進行します。そのためシン付加となりcis体のアルカンが生成します。記載の内容は正しいです。

2番のエポキシドの酸存在下による開環反応は、水の付加がSN2機構で進むことからcis体ではなくtrans体が生成します。

3番の四酸化オスミウムによるアルケンのジオール化はcis体が生成します。四酸化オスミウム1分子がアルケンの2つの炭素に対し同じ方向から付加するためです。

4番のアルケンへの臭素付加反応はtrans体が生成します。臭素分子は分極しておらず、アルケンのπ電子が近づくことで一時的に分極することで反応します。臭素原子はアルケンの2つの炭素原子と同時に結合を作る特徴があり、C-Br+-Cの三員環を形成します。環とは反対側にもう一つの臭素が結合するためtrans体となります。

5番のアルケンへの臭化水素の付加反応はマルコフニコフ則に従います。まず、HBrのHがアルケンの二重結合に付加し、カルボカチオン中間体が形成されます。安定な3級カルボカチオンを形成するため、1-ブロモ-1-メチルシクロヘキサンが主生成物として得られます。

技術士(化学部門)一次試験の要点まとめ

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