令和元年度(再試験) 問31 化学プロセス

合成燃料であるジメチルエーテル(\(\mathrm{CH_3OCH_3}\))には、次式に示すようにメタノール(\(\mathrm{CH_3OH}\))を脱水して製造する方法がある。

$$2\mathrm{CH_3OH}(\mathrm{l}) \rightarrow \mathrm{CH_3OCH_3}(\mathrm{g}) + \mathrm{H_2O}(\mathrm{l})$$$$\Delta H = x\ \mathrm{kJ/mol\text{-}CH_3OCH_3}(\mathrm{g})$$

ここで用いる反応熱 \(\Delta H\) は、発熱はマイナス、吸熱はプラスで表記する。また、(g)、(l) はそれぞれ気体状態並びに液体状態を表す。

この反応熱 \(\Delta H\) の値を標準生成エンタルピー及び標準燃焼エンタルピーを用いて計算し、反応熱に最も近い値を示すものは 1~5 のうちどれか。

ただし、標準生成エンタルピーは、
二酸化炭素 (g):\(-393.5\) kJ/mol
水 (l):\(-285.8\) kJ/mol
メタノール (l):\(-238.6\) kJ/mol であり、
標準燃焼エンタルピーは、
ジメチルエーテル (g):\(-1{,}460.3\) kJ/mol である。

7 kJ/mol
375 kJ/mol
945 kJ/mol
-177 kJ/mol
-231 kJ/mol
正答
① 7 kJ/mol

ジメチルエーテル(\(\mathrm{CH_3OCH_3}\))の標準生成エンタルピーが与えられていないため、標準燃焼エンタルピーを使用して計算する必要があります。燃焼反応のエンタルピー変化 \(\Delta H\) を計算する際は、生成物の標準生成エンタルピーの和から反応物の標準生成エンタルピーの和を引きます。

酸素(\(\mathrm{O_2}\))は単体元素であり最も安定な形態であるとみなし、標準状態での単体元素の標準生成エンタルピーは定義上 0 kJ/mol とされています。

ジメチルエーテルの燃焼反応式は

$$\mathrm{CH_3OCH_3}(\mathrm{g}) + 3\mathrm{O_2}(\mathrm{g}) \rightarrow 2\mathrm{CO_2}(\mathrm{g}) + 3\mathrm{H_2O}(\mathrm{l})$$

です。ジメチルエーテルの標準燃焼エンタルピー、生成物(二酸化炭素と水)の標準生成エンタルピーが既に与えられています。ジメチルエーテルの標準生成エンタルピーを \(X\) とすると、\(-1{,}460.3 = \{(-393.5\times 2) + (-285.8\times 3)\} - X\) と立式できます。\(X = -184.1\) kJ/mol です。

同様に、メタノール脱水の式に適用して計算します。\(-184.1 + (-285.8) - (-238.6\times 2) = 7\) kJ/mol となります。値がプラスなため吸熱反応です。

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