令和元年度(再試験) 問32 化学プロセス

気温 36.0 ℃、水蒸気分圧 \(p\ [\mathrm{kPa}]\) の空気中の水滴温度(湿球温度)が \(T_s = 29.0\ ^\circ\mathrm{C}\) であった。水滴表面の水蒸気分圧 \(p_s\) は水滴温度の飽和蒸気圧であり、\(p_s = 3.95\) kPa である。また 36.0 ℃ での飽和水蒸気圧は \(p^{*} = 5.92\) kPa である。

空気から水滴表面への顕熱移動速度 \(q_s\ [\mathrm{W/m^{2}}]\) は次式で求められる。

$$q_s = h\,(T - T_s)\quad(h = 13.2\ \mathrm{W/(m^{2}\,K)}:伝熱係数)$$

一方、水蒸気分圧差を推進力とする水の蒸発速度 \(N\ [\mathrm{mol/(m^{2}\,s)}]\) は次式である。

$$N = k\,(p_s - p)\quad(k = 0.0056\ \mathrm{mol/(m^{2}\,s\,kPa)}:物質移動係数)$$

これより水滴表面での潜熱移動速度 \(q_l\ [\mathrm{W/m^{2}}]\) は次式である。

$$q_l = \Delta_v H \times N\quad(\Delta_v H = 43720\ \mathrm{J/mol}:水の蒸発潜熱)$$

顕熱移動と潜熱移動が等しいこと \((q_s = q_l)\) から空気中の水蒸気分圧 \(p\) が求められる。以上よりこの空気の相対湿度 \((= 100\times(p/p^{*}))\) として最も近い値はどれか。

30%
40%
50%
60%
70%
正答
④ 60%

飽和水蒸気圧 \(p^{*}\) は与えられているため、残る水蒸気分圧 \(p\) を求める問題です。内容は複雑ですが、問題文に与えられた式を計算するだけで回答が導けます。

顕熱移動と潜熱移動が等しいこと \((q_s = q_l)\) と問題に記載されており、\(h(T - T_s) = \Delta_v H\times N\) が立式できます。更に \(N = k(p_s - p)\) であるため、\(h(T - T_s) = \Delta_v H\times k(p_s - p)\) となります。この式に与えられた値を代入します。

$$13.2\,(36.0 - 29.0) = 43720\times 0.0056\,(3.95 - p) \;\Rightarrow\; p = 3.57\ \mathrm{kPa}$$

よって、相対湿度は \(100\times(3.57/5.92) = 60.3\%\)、最も近い値は 60% です。

技術士(化学部門)一次試験の要点まとめ

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