令和元年度 問12 有機化学及び燃料
潤滑油の基油に関する記述のうち、最も不適切なものはどれか。
①
潤滑油用基油としては、入手性やコストの面から石油系潤滑油基油が多く使用されている。
②
パラフィン系基油は、摩擦・摩耗を低減する性能が要求される潤滑油に広く採用されている。
③
ナフテン系基油は、電気絶縁油や冷凍機油など基油自体に低温性能が求められる潤滑油に利用されている。
④
粘度指数とは、潤滑油の粘度温度関係表示法で、粘度指数が大きい潤滑油ほど温度による粘度変化が大きいことを示す。
⑤
石油系潤滑油の中で高粘度指数基油は、水素化分解プロセスを利用し、硫黄分や芳香族炭化水素成分を低くしたものである。
正答
④ 粘度指数とは、潤滑油の粘度温度関係表示法で、粘度指数が大きい潤滑油ほど温度による粘度変化が大きいことを示す。
正答は4番です。
粘度指数は、粘度の温度依存性を表した指数です。値が大きいほど温度による粘度変化が小さいことを表します。潤滑油においては高温での潤滑性変化を抑えるため、粘度指数向上剤を添加する場合があります。
1番の潤滑油用機油は、入手性やコストの面で主に石油系(鉱油)が用いられます。鉱油では対応できない条件(高温安定性や温度-粘度特性等)が求められる場合に合成油が採用されます。
2番のパラフィン系(アルカン)基油は、粘度指数が高いのに対し一般的に流動点も高く、摩擦・摩耗を低減する性能が求められる潤滑油に用いられます。
3番のナフテン系(シクロアルカン)基油は、粘度指数は低いものの低温流動性が優れている(流動点が低い)ため、電気絶縁油や冷凍機油などに用いられます。
5番の高粘度指数基油は、水素化精製(水素化脱硫)装置にて、原油の蒸留留分に含有する不純物(特に硫黄分)を取り除きます。またその際に炭化水素も反応し、飽和や水素化分解などが起きます。