令和5年度 問31 化学プロセス
60 ℃ の硫酸銅飽和水溶液 200 g を 20 ℃ まで冷却して放置したところ、\(\mathrm{CuSO_4\cdot 5H_2O}\) の結晶が析出した。析出した \(\mathrm{CuSO_4\cdot 5H_2O}\) の結晶量として、最も適切な値はどれか。
なお、無水硫酸銅の溶解度は、60 ℃ で 30 g、20 ℃ で 20 g とする。溶解度とは、100 g の水に溶解する溶質の質量 \([\mathrm{g}]\) とする。
原子量は、\(\mathrm{H} = 1\)、\(\mathrm{O} = 16\)、\(\mathrm{Cu} = 64\)、\(\mathrm{S} = 32\) とする。
この問題の特徴は、硫酸銅が析出するときに水和物として溶媒も一緒に析出することです。通常の溶質だけ析出する場合と異なり、溶媒の量も減少しながら析出します。
析出した硫酸銅五水和物 \(\mathrm{CuSO_4\cdot 5H_2O}\) を \(x\ [\mathrm{g}]\) とします。大きくは以下の手順です。
- 析出後の溶液の量を \(x\) の式で表す
- 現在溶けている溶質の量を求める
- 析出後の溶質の量を \(x\) の式で表す
- 溶質と溶液の比の形で溶解度と等式を立てる
\(\mathrm{CuSO_4}\) の分子量は 160、\(\mathrm{CuSO_4\cdot 5H_2O}\) は 250、水は 18 です。
まず溶液の量を求めます。20 ℃ において、析出により溶液の量は \(200 - x\) に減少します。
次に溶質の量を求めます。60 ℃ では 100 g の水に 30 g の硫酸銅が溶解するため、130 g の溶液に 30 g の溶質が溶けていることを意味します。つまり 200 g の溶液では \(200/130\times 30 = 46.15\) g の溶質が溶けています。析出した硫酸銅五水和物のうち硫酸銅の割合は分子量から \(160/250\) です。20 ℃ において、析出により溶質の量は \(46.15 - x\,(160/250)\) に減少します。
20 ℃ における溶解度は 20 g であるため、溶質と溶液の比を用いると
$$\frac{20}{120} = \frac{46.15 - x\,(160/250)}{200 - x}$$の等式が成り立ちます。これを計算すると析出した硫酸銅五水和物の量 \(x\) は \(26.96\) g です。つまり最も近い値は 27 g です。