令和7年度 問2 有機化学及び燃料
ハロゲン化アリールに関する次の記述のうち、【 】に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。 クロロベンゼンは水酸化ナトリウム水溶液中で数日間加熱しても、フェノールにはならず、【 A 】に対して不活性である。一方、1-クロロ-2-ニトロベンゼンは炭酸水素ナトリウム水溶液中で加熱すると、2-ニトロフェノールとなる。この反応は【 B 】で進行し、電子が非局在化された【 C 】を中間体に生成する。この過程を【 D 】という。
| A | B | C | D | ||
|---|---|---|---|---|---|
| ① | 付加反応 | 脱離−付加機構 | カルボカチオン | 芳香族求電子置換反応 | |
| ② | 置換反応 | 脱離−付加機構 | ベンザイン | 芳香族求核置換反応 | |
| ③ | 置換反応 | 付加−脱離機構 | カルボアニオン | 芳香族求核置換反応 | |
| ④ | 置換反応 | ラジカル反応 | ラジカル | ラジカル置換反応 | |
| ⑤ | 付加反応 | 付加−脱離機構 | アレニウムイオン | 芳香族求電子置換反応 |
正答
③ 置換反応 / 付加−脱離機構 / カルボアニオン / 芳香族求核置換反応
クロロベンゼンは塩素が芳香環に直接結合しているため、通常の条件では求核置換を受けにくい化合物です。ところがオルト位・パラ位に強い電子求引基(ニトロ基)があると芳香環が活性化され、求核剤による置換が進みます。
この反応では、まず求核剤が芳香環の炭素に付加して負電荷が非局在化したカルボアニオン中間体を生じ、続いて脱離基(塩素)が外れます。すなわち「付加−脱離機構」で進む芳香族求核置換反応(SNAr)です。
- ベンザインを中間体とするのは「脱離−付加機構」で、強塩基(NaNH2 等)でハロベンゼンを処理する場合の経路です。本問の温和な条件・置換基の効果とは合いません。