令和7年度 問3 有機化学及び燃料

ベンゼンを出発物質として、4-アミノベンゼンスルホン酸(スルファニル酸)を合成する場合、どのような順番で合成したら良いか。次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
まずベンゼンを濃硝酸と濃硫酸の混酸でニトロ化してニトロベンゼンとする。次いでニトロ基をBéchamp還元してアニリンとする。生じたアニリンを濃硫酸によってスルホン化して目的物である4-アミノベンゼンスルホン酸(スルファニル酸)を得る。
まずベンゼンを濃硫酸によってスルホン化してベンゼンスルホン酸とする。次いでベンゼンスルホン酸を濃硝酸と濃硫酸の混酸でニトロ化して、4-ニトロベンゼンスルホン酸とする。得られた4-ニトロベンゼンスルホン酸を還元して、4-アミノベンゼンスルホン酸(スルファニル酸)とする。
まずベンゼンに塩化プロパノイルをFriedel-Craftsアシル化反応によってエチルフェニルケトンとし、これをWolff-Kishner還元して、4-アミノベンゼンスルホン酸(スルファニル酸)とする。
まずベンゼンをFeBr3 のようなLewis酸存在下で臭素と反応させてブロモベンゼンとし、アンモニアによってアニリンとする。アニリンに塩化スルホニルを反応させて4-アミノベンゼンスルホン酸(スルファニル酸)を得る。
ベンゼンから4-アミノベンゼンスルホン酸(スルファニル酸)は合成できない。
正答
① まずベンゼンを濃硝酸と濃硫酸の混酸でニトロ化してニトロベンゼンとする。次いでニトロ基をBéchamp還元してアニリンとする。生じたアニリンを濃硫酸によってスルホン化して目的物である4-アミノベンゼンスルホン酸(スルファニル酸)を得る。

ベンゼンからスルファニル酸(4-アミノベンゼンスルホン酸)を合成する定石は、混酸(濃硝酸+濃硫酸)でニトロ化してニトロベンゼンとし、ニトロ基を還元(Béchamp還元など)してアニリンとし、最後にアニリンを濃硫酸でスルホン化する順序です。これを示した1番が正答です。

アニリンを濃硫酸と加熱すると、いったんアニリン硫酸塩を生じます。さらに加熱するとパラ位がスルホン化され、スルファニル酸が得られます。アミノ基はオルト・パラ配向性なので、立体的に有利なパラ位に選択的にスルホ基が入ります。

2番のように先にスルホン化すると、スルホ基はメタ配向性のため、その後のニトロ化・還元で置換位置が目的物と合わなくなります。

3番のFriedel–Craftsアシル化とWolff–Kishner還元では、スルホ基もアミノ基も導入できません。

4番のように、アニリンに塩化スルホニルを反応させても、スルホン酸基をパラ位に導入することはできません。

5番について、上記のとおりスルファニル酸は合成できます。

技術士(化学部門)一次試験の要点まとめ

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