令和7年度 問12 有機化学及び燃料

我が国では、水素の輸送方法の1つである有機ハイドライド輸送の実証実験が進められている。有機ハイドライド輸送に関する次の記述のうち、【 】に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。

有機ハイドライド輸送は、芳香族系有機化合物を水素キャリアとして用いるものである。常圧状態に比べて体積は【 A 】程度となり、また液体化するためケミカルタンカーやケミカルローリーを用いることができる。 いくつかの系のうち、我が国では安全性や利便性などの点から【 B 】−【 C 】系の実用化が進められている。ともに汎用化学品であり、既存の社会インフラが利用可能であるためである。水素製造地において、【 C 】を水素化して【 B 】と輸送する。需要地で【 B 】を脱水素化し、【 C 】は水素製造地に戻される。 水素付加(水素化)は【 D 】反応であり、水素脱離(脱水素化)は【 E 】反応である。

ABCDE
5分の1メチルシクロヘキサントルエン発熱吸熱
5分の1シクロヘキサンベンゼン吸熱発熱
500分の1シクロヘキサンベンゼン発熱吸熱
500分の1メチルシクロヘキサントルエン発熱吸熱
500分の1メチルシクロヘキサントルエン吸熱発熱
正答
④ 500分の1 / メチルシクロヘキサン / トルエン / 発熱 / 吸熱

有機ハイドライド輸送は、水素をいったん芳香族化合物に化学的に固定し、常温・常圧の液体として貯蔵・輸送する方法です。気体の水素は体積が大きく、運ぶには高圧もしくは極低温(液化)が必要です。対して有機ハイドライドなら液体のまま扱えるため、既存のケミカルタンカーやローリーといったインフラを活用できます。

トルエンを水素化したメチルシクロヘキサン(MCH)は、常圧の水素ガスと比べて体積が約500分の1になります(A)。日本ではトルエン-MCH系の実用化が進んでいます。水素製造地でトルエン(C)を水素化してMCH(B)にして運び、需要地でMCH(B)を脱水素して水素を取り出し、残ったトルエン(C)を水素製造地へ戻して再利用します。ともに汎用化学品で、安全性・利便性に優れます。

水素化(水素付加)は発熱反応(D)、脱水素化(水素脱離)は吸熱反応(E)です。

技術士(化学部門)一次試験の要点まとめ

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