令和7年度 問27 無機化学及びセラミックス
セラミックスの種類に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
①
強誘電セラミックス:外部電場を印加しない状態でも電気双極子が整列しており、その双極子の方向を外部電場によって変化できるセラミックス。電場に対して分極がヒステリシスを示す。代表的な物質として、チタン酸バリウムなどがある。
②
強磁性セラミックス:隣り合うスピンが同一の方向を向いて整列しており、全体として大きな磁気モーメントを持つため、外部磁場がない状態で自発磁化を持つセラミックス。酸化鉄を主成分とするフェライトの多くは強磁性を示す。
③
電子伝導セラミックス:電荷担体がイオンである伝導性セラミックス。固体電解質セラミックスともいう。ナトリウム伝導のβ-アルミナが知られる。
④
超電導セラミックス:ある温度以下で電気抵抗がゼロになり、同時に反磁性を示す性質を持つセラミックス。R−Ba−Cu−O系(R:希土類元素)などの酸化物がある。
⑤
マルチフェロイックセラミックス:強磁性、強誘電性、強弾性などのうち2種類以上の性質が相互作用を示すセラミックス。ビスマスフェライトなどが知られる。
正答
③ 電子伝導セラミックス:電荷担体がイオンである伝導性セラミックス。固体電解質セラミックスともいう。ナトリウム伝導のβ-アルミナが知られる。
正答(最も不適切)は③です。
③は「電子伝導セラミックス」という名称を掲げながら、本文では「電荷担体がイオンである」「固体電解質セラミックス」「ナトリウム伝導の β-アルミナ」と、イオン伝導体(イオン伝導セラミックス)の説明になっています。名称と内容が一致せず不適切です。β-アルミナは代表的な Na イオン伝導体です。
- ① 強誘電セラミックス(チタン酸バリウム)、② 強磁性セラミックス(フェライト)、④ 超電導セラミックス(R–Ba–Cu–O 系)、⑤ マルチフェロイックセラミックス(ビスマスフェライト)の説明は、いずれも妥当です。