令和7年度 問28 無機化学及びセラミックス
焼結に関する次の記述のうち、【 】に入る用語の組合せとして、最も適切なものはどれか。 焼結の駆動力は粉体の持つ余分の表面エネルギーである。加熱処理をすると、表面エネルギーを【 A 】させようとする方向、つまり表面積が【 A 】する方向に物質移動がおこり、粒子どうしの結合がおこる。焼結過程は、一般的には次の3つの段階に分けられる。(1)初期段階。粒子どうしの癒着がおこり、この部分の面積がしだいに増加する。これは【 B 】と呼ばれる。この段階で、【 C 】は約50〜60%、【 D 】は4〜5%程度までになる。(2)中期段階。チャンネル状の空隙がしだいに多くなり、【 C 】は60〜95%、【 D 】は5〜20%近くまでになる。一般に粒子の成長が顕著になる。(3)終期段階。【 C 】が95%以上になり、多面体化した粒子の角の部分や粒内に空隙(【 E 】という)が残るだけとなる。焼結の物質移動の機構は主に表面拡散、蒸発−凝縮機構、拡散機構、溶解−析出機構、流動機構に大別される。これらのうちどの機構が支配的になるかは、おもに初期焼結の段階における【 B 】の速度式及び収縮速度式を用いた解析により判断される。
| A | B | C | D | E | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| ① | 減少 | 頸部成長(neck growth) | 相対密度 | 収縮率 | 気孔 | |
| ② | 増加 | 異常粒成長 | 相対密度 | 収縮率 | 気孔 | |
| ③ | 減少 | 異常粒成長 | 収縮率 | 相対密度 | 気孔 | |
| ④ | 増加 | 異常粒成長 | 収縮率 | 相対密度 | 格子欠陥 | |
| ⑤ | 減少 | 頸部成長(neck growth) | 相対密度 | 収縮率 | 格子欠陥 |
正答
① 減少 / 頸部成長(neck growth) / 相対密度 / 収縮率 / 気孔
穴埋めは A=減少、B=頸部成長(neck growth)、C=相対密度、D=収縮率、E=気孔となり、①が正答です。
焼結の駆動力は粉体がもつ余分な表面エネルギーです。加熱すると、表面エネルギーを減少させる(=表面積が減少する)方向に物質移動が起こり、粒子どうしが結合します。
- 初期段階:粒子の接触部が癒着して頸部成長(neck growth)が進み、相対密度は約 50〜60%、収縮率は 4〜5% 程度になります。
- 中期段階:チャンネル状の空隙が減り、相対密度 60〜95%、収縮率 5〜20% 近くになり、粒成長が顕著になります。
- 終期段階:相対密度が 95% 以上になり、粒の角や粒内に孤立した気孔が残るだけになります。
どの物質移動機構が支配的かは、初期焼結における頸部成長の速度式・収縮速度式の解析から判断されます。